合格率の推移と傾向を見る

2021年2月14日に実施された第110回看護師国家試験の合格率は、前年よりも1.2ポイントアップとなる90.4%でした。66,124人の受験者のうち、59,769人が合格したようです。過去数年間を振り返っても、2016年で89.4%、2017年は88.5%、そして2018年は91.0%で2019年には89.2%となっており、90%前後となる高い数字を推移していることが分かります。

次に、合格者の内訳を比べていきましょう。第110回の試験において、新卒の受験者は59,593人で、合格率は95.4%でした。大学の新卒の合格率が97.4%と最も高く、3年課程の養成所の新卒では96.0%となっています。一方で、既卒の受験者は6,531人で、合格率はそのうち44.4%となっており、新卒の場合に比べると大幅に減っていることが読み取れるでしょう。大学の既卒の場合は62.8%、3年課程の養成所では52.6%となっており、短大や通信制などその他のケースを比べても、やはり、新卒に比べると既卒の場合の合格率は大きく下がる結果となっていたのです。

新卒者の合格率は、過去を振り返ってみても高い数字をキープしており、特に、2019年以降は94.7%から95.4%に向けて上昇傾向となっています。合格率は高いものの、様々な知識が求められるこの試験の難易度は、決して易しいものではありません。しっかりと学びを深めている受験者が多いため、合格率が高くなっていると言えるからです。そのため、看護に関するたくさんの知識を学べる環境に身を置き、勉強が習慣化できている新卒の時期に、合格に向けてしっかりと取り組むことが重要なのです。